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社長メッセージ
「自由な野村」という言葉を、時代を超えて体現し続ける野村事務所という会社。しかし、激動する時代や世界の荒波を乗り越えるためには、ただ自由であるだけではいけないはず。1933年の創業からもう間もなく100年企業へと歴史を刻む瞬間が訪れる。ほんの数名の小さな事務所から始まった野村事務所がどのように成長し、現代までの発展を遂げてきたのか、代表取締役社長 野村生次へのインタビューによって紐解いていく。

ユニークであり続けること

―野村事務所の後継者としての自覚を持って学生時代、就職…と経てきたのかと思いきや。
 
野村事務所という名前から想像するとどうしても同族経営と見られがちですが、実は創業者の野村駿吉以降の社長4人は親族外からの就任です。父親も医学関連の研究者であり野村事務所には入っていません。 世界で通用する技術を開発するために、海外の研究者と積極的に交流していた父親の影響からくる海外への興味、また人とは違うユニークさを求めていたこともあり、大学卒業後 単身アメリカに渡りました。アルバイトで貯めたお金などで暮らしていたある日、当時の社長だった白井さんから「うちに来なさい」とお声がけいただき帰国、晴れて野村事務所に入社しました。白井社長は非常に積極的な方で 「商社マンは農耕民族ではいけない。狩猟民族のように攻めていき、自分たちで楽しく仕事を創り出しなさい」と口癖のように発していました。創業者だけでなく、想いを受け継いだ歴代社長が仕事創りにおいて大切にしてきた ワクワクする「面白さ」や「ユニークさ」は、現在も続く野村事務所の根幹に宿っている精神です。

―ユニークと言ってしまうと幅が広すぎるのでは?

「ユニーク」とは、ただ独自性がある、というだけではいけないと考えています。同時に「本質」を考え、見極めようとすることが大切です。世の中激動と言われていますが、昔から同じようなことが言われ続けています。 しかし変わりゆく状況の中にも、大切で不変なものが存在します。本質を見極め、変化の中で求められる課題を、ユニークなアイデアや商品でつなぎ、解決策を提案していくことが、商社である野村事務所の重要な役割だと考えています。ユニークさや本質を見極める力は一朝一夕で身につくものではありません。物事、事象に対して常に好奇心を持ち、深く掘り下げて考え、そして挑戦することがこれらを身に着ける第一歩なはずです。

『社会貢献』が会社の柱に

―ユニークさ、本質、を大事にしながら「人と人をつなぐ」という経営理念を持つ野村事務所。
 今後の展開は?
 
今まで紡いできた歴史、経験、言葉、理念を踏まえて「社会に貢献する新しい価値を創造する」ことを見据え、2024年から新しい3か年計画が始動します。
野村事務所としては新たなキーワードになるのですが、『QOL=Quality Of Life』という言葉を取り入れ、サステナブル、カーボンニュートラル、リサイクルなどの活動において、何が人の幸せに戻ってくるのか、という視点を大事にしています。社会や人に貢献する事業が創出できれば、結果として長期的に安定した事業基盤になると信じています。決して短期的な視点ではなく、長い目で事業を見ていきたいですし、それを実現できる経営体制が野村事務所にはあります。 また、「社員のQOLを上げたい」という想いも強く持っています。社員が幸せにならないと良い連鎖がそもそも始まらないはずです。

-社員のQOLを上げたいと話す野村社長。一方で、働き方改革や先端技術の劇的な進化、また世界的な脱炭素の潮流により打撃を受けうる既存事業もある中で、どのようなことを考えているのでしょうか?
 
野村事務所はこれまでの90年間の歴史で一度も赤字決算がありません。 素晴らしい事ではありますが、結果として社内の危機意識が薄れてしまっています。 常に積極的に行動し自分たち自身も変化し続けなければ、社会の変化から取り残され、会社は衰退していきます。 大切な経営理念は繋いでいきますが、歴史や実績に依存せず、会社一丸となって闊達な議論を行って変化し続けていきたいと考えています。これが実現できないと会社は成長できないので、今が将来に向けた大切なターニングポイントだと感じています。

好奇心旺盛に。自由を、クリエイトを楽しもう

―ターニングポイントを迎えている野村事務所。
 これからの組織、採用について最後に教えてください。

前述の通り、今、野村事務所はターニングポイントを迎えています。23年には新規事業開発部という開発の専門部署を立ち上げ、今までになかった商材、ビジネスチャンスをスピディーに創出しようと動いています。 既存ビジネスを拡大するだけでなく、新しいことに挑戦して、ゼロから事業を創出する活動を高く評価する制度も整備しました。
当社とお付き合いのある方々からは、「自由度がある」「取引先が優良」「財務体質が良い」などと評価していただいているのですが、これらの強みを活かしてこれからの野村事務所を切り拓いていきます。 
またこれからの時代、当社が大きく変革するためには、突き抜けているくらいの人がいてもいいと思っています。 これまでの枠にとらわれない独創的で突飛と感じられるようなアイデアでも柔軟に受け入れる 「自由な野村」 であり続けたいと思います。 そして社員の人たちには「面白いね!」とワクワクしながら仕事をクリエイトすることを楽しんで欲しいし、そこから生まれるユニークなアイデアで、創業100年の野村を作っていきたいと考えています。